(Sorairokoramuとは?)
日々の子どもたちの園での姿を、園の保育
方針や保育観を織り交ぜながらお伝えする
新しい試みです!
子どもたちの写真メインではなく、文章が
メインとなるので、お時間があるときに
ゆっくり読んでいただけるとうれしいです。
不定期でお届けしていきます☆
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(Vol.4 子どもの10の姿)
幼児教育の共通方針に、「幼児期の終わりまでに
育って欲しい10の姿」というものがあります。
これは、小学校に就学する前の乳幼児期に育って
ほしい資質・能力を具体化したもので、
遊びを中心とする保育園での生活や学びと、
大半を机に向かって学ぶ小学校での学びを繋ぐ
とても重要なものとされています。
また、「10の姿」とは、幼児期の普遍的なあり方を
示したものであり、成長のゴールではなく、生活の
中で自然に身に着けていく目安となるものです。
保育・教育に関わる人たちが10の姿を参考にしな
がら、幼児教育の重要性や方向性を共通認識して
いくことで、子どもたちが未来を生きる力が育ま
れると位置づけられています。
今回は、そんな10の姿が育っていると感じたエピ
ソードをご紹介したいと思います。
ある日、職員室にひょっこり年長クラスの子たち
が訪ねてきました。
「おばけやしきにきて!」と腕を引かれながら保育
室に行くと、なんと保育室がお化け屋敷になっている
ではありませんか。
一生懸命書いたことが伝わる字で「おばけやしき
ちっけと(チケット)」と書かれたチケットをもらい
お化け屋敷を見てまわりました。
ろくろ首やカエルの妖怪など様々な妖怪が
作られていました。飛び出して驚かす役の子
がいたりと、それはそれは楽しいお化け屋敷
でした。
そもそものきっかけは、「おばけのきもだめし」と
いう絵本がきっかけとなりお化け屋敷プロジェクト
が始まったそうです。
今回の子どもたちのこの活動を通して、冒頭の
「10の姿」のどの部分の育ちがあったのでしょうか。
例えば、子どもたち同士で、役割分担を決め、担当
の妖怪を作る。
ここでの子どもたちのやり取りでは、
「ぼく(自分)は〇〇をやるから〇〇をしてね」だったり、
「わたし(自分)はこうしたほうがいいとおもうけど、
あなた(他者)はこうしたほうがいいとおもうんだ」
など、関りを通して互いの思いや考えを分かち合う
という【協同性】が育まれたかもしれません。
例えば、妖怪を新聞紙や袋、ダンボールなどの素材で
作り上げていく段階。
ここでの子どもたちのやり取りでは、
「このしんぶんしで〇〇のぶぶんをつくろう!」だったり、
「このふくろをこうすると、〇〇になっておもしろいね」
など、一緒に表現する過程を楽しみながら、喜びを
味わい意欲を高め合うという【豊かな表現と感性】が
育まれたのかもしれません。
「ダンボールをハサミできると、かたくてむずかしい。。
どうするといいのかな?」
など、物の性質や仕組みを感じ取る中で、思いを巡らし
たり工夫したりという【思考力の芽生え】が育まれた
のかもしれません。
今回の事例では、お化け屋敷というプロジェクトを
長期間にわたって継続して行うことで、上記にあげた
力以外も含めて沢山の学びと育ちがあったのではない
でしょうか。
10の姿は、幼・保育園向けにつくられたものではあり
ますが、内容はご家庭でも活用できるものです。
子どもの成長の方向性を示す参考としてみてくだ
さい。
園長 石田 優貴