学園が大切にしている「主体性を育む教育・保育」をさらに向上させるために、国際的な教育プログラム《PYP》の認定校を目指し取り組んでまいりました。
認定校になるには厳格な評価基準があります。導入から候補校になるまで、そして認定校になるまで3年以上をかけ、職員全員でまなび、日々の活動や行事の目的、進め方などを見直し、試行錯誤を繰り返しながら取り組んでまいりました。
このたびこれまでの成果・実績により、北海道の幼児施設(幼稚園・保育園・認定こども園)で初となる、「国際バカロレア(IB)PYP認定校」として「認定こども園あいの里」が認定されました。
国際バカロレア(IB)プログラム【PYP】とは?
「国際バカロレア(IB)」は、国際バカロレア機構(本部:ジュネーヴ)が提供する教育プログラムで、世界159以上の国や地域で5,500校が厳しい基準をクリアした認定校になっています。文部科学省でもグローバル人材育成の観点から国内の「国際バカロレア(IB)」の普及・拡大を推進しており、国内では177校(※)がIBの認定を受けています。
IBは、グローバル社会で求められる人物像を基に、一人ひとりの「主体性」や「多様性」、「考える力」を育むことを目的としており、子どもたちが自分自身と他者を尊重し積極的に関わることや、考えなどの違いを理解し受け入れる姿勢、自分で考える力や学び続ける姿勢などを育んでいます。
このうち幼児期を含む初期ステージの教育課程が【PYP(Primary Years Programme)】です。PYPは「子どもに考えさせる教育」であり、幼児期から教えられたことだけをするのではなく、自ら考えて行動できる力を養います。
※2022年6月時点
取り組みの一例をご紹介
発表会で行う劇を選ぶ際には担任が中心に決めることが多かったのですが、PYPに取り組むようになってからは子どもたちが話し合いを繰り返し、自分たちで劇を選ぶ流れに変更しました。すると、日ごろの保育で子どもたちが見聞きしたものの中から、興味関心があるテーマへ話し合いが膨らんでいきました。
セリフを間違いないように暗記することを目的にするのではなく、登場人物の気持ちをみんなで一緒に考えたり、その気持ちを身の回りにある様々のものに例えながら共有するしたり、自分たちで考え、形にすることを重視しながら進めました。
日に日に子どもたちが劇に夢中になり、目を輝かせる様子や、積極的に気づきや思いを表現しようとする姿が見られるようになり、劇の理解が深まりました。その結果、本番では自分たちの感情や思いが詰まったオリジナリティ溢れる作品となりました。
こたえが決まっていないものを考えることで、「自分の考え」や「他者の考え」を意識するようになりました。
プログラムの導入以来、子どもたが主体となって活動を進められる環境を用意することで、IBの学習像を身につけながら成長する姿に、教育環境づくりの重要性にあらためて気づかされました。
子どもたちの可能性は無限大です。一人ひとりの可能性を伸ばせるよう、あいの里の取り組みから培ったノウハウや経験を姉妹園の教育や保育に反映し「子どもたちの主体的なまなび」を主軸に、より良い教育・保育を目指してさらに邁進してまいります。