幌北学園では、子どもたちの身体の成長と心の発育を支える「食」との関りを大切にしています。天然だしにこだわったおいしい給食を提供するほか「食育活動」にも取り組んでいます。
活動内容は季節の野菜の栽培や収穫、調理体験、魚の解体を見る、小麦の栽培・脱穀・製粉、陶芸体験で食器を作るなど、その年度によって園ではさまざまな活動を行っています。
子どもたち一人ひとりの気づきやまなびを大切にしながら、食材や食に関わる人々、いのちに感謝し、大切にする心を育んでいます。
■味噌づくり
学園では各園それぞれオリジナルの食育活動を行っていますが、全園共通の食育活動の一つがが、年中組の「味噌作り」です。
大豆から味噌を作り、出来上がった味噌でお味噌汁を食べるまで、全ての工程を体験します。
【味噌作りの工程】
●大豆を水につける
水を含んで膨らんだ大豆と、水に浸ける前の大豆を比べて
「大きくなってる!」「やわらかくなってる」など変化に驚く様子が
●茹でた大豆をつぶす
ビニール袋に入れ、お友だちと協力しながら手で潰します
指先をどう使ったら上手につぶせるのかなど、自然に考えたり工夫している子どもたち。つぶす作業の楽しさに夢中になりながら手や指の使い方も上達していきます
●塩と麹を混ぜて味噌玉づくり
初めて嗅ぐ麹の匂いに「くさい!」「(見た目)はお米みたいだけど、匂いが違う!」など、さまざまな気づきがあります
●味噌玉を樽に詰める
作った味噌玉をもって、勢いよく樽に投げ入れます。空気を抜くために思い切り投げるので、コントロールが難しいこの作業。残念ながら樽に入らない味噌玉も・・・
●蓋をして厨房で半年寝かせたら、細菌検査へ
樽に顔をつけたら、各園それぞれで味噌に名前を付けます。親しみや愛情がわき、半年の間、時々様子を見に行ったりしながら発酵が進むまで楽しみに見守ります。
細菌検査を経て、検査にパスしたら、ようやくみんなの味噌が完成です!
●実食へ
味噌を作った年中の子どもたちが進級し、年長として迎えるお泊り会でこの味噌を味わいます。自分たちで作った味噌は格別。毎年どの園でも大好評です。残った味噌は給食や、おまつり(札幌)のメニューなどで使っています。
味噌は地域によってさまざまな特性がでる調味料です。赤や白などの種類がありますが、大豆を蒸すか茹でるかによっても色に違いが出るそうです。気温や温度などによって味が違うので、毎年どんな味の味噌が出来上がるのかも楽しみの一つとなっています。
味噌づくりをはじめ、食育活動では育てた食物が枯れたり実りが少ないなど、本で調べた通りにやってみてもうまくいかないことがあります。それはとても大事な経験です。失敗することで、失敗の原因やうまくいくための方法などを調べたり考えるきっかけになっています。
そうした過程からのまなび(知ることや気づくこと)が「次はこうしてみよう」と次の挑戦へのモチベーションとなっていたり、試行錯誤して成功した経験が子どもたちの自信になっています。
園の食育活動の様子は各園のブログでご紹介しています。
ぜひご覧ください。