今年もオーストラリアの姉妹園【BlueBerries Childcare】で研修を実施。1月5日~1月12日の8日間の研修に、全国の園から14名の職員が参加しました。オーストラリアの保育
2012年に政府がNational Quality Framework(NQF)という幼児教育に関する枠組みを定め、以来、国を挙げて質の高い教育・サービスの継続的な改善・提供に取り組んでいます。日本とは子どもと職員の比率が異なるだけでなく、集団よりも個を尊重する教育で、創造力を養うあそびを中心に、個々の成長を促す教育を行っています。
オーストラリアの保育を学ぶ実践研修
日本の幼児教育も、これまでの一斉保育から個を尊重する教育へと変わってきています。学園では、日本よりも優れた「一人ひとりの主体性を育み尊重する保育」を知る・学ぶ機会として海外姉妹園での研修を実施しています。職員それぞれが気づき、理解を深められるよう、研修は見学ではなく日常の保育に参加して行います。保育環境や現地職員の動きや関わり方、個々の主体性を尊重した保育など、自身の体験を通して学びます。
◆子どもの意思を尊重したあそび環境
園内には各あそびのコーナーが設定されています。登園後は子どもたちがそれぞれ好きなあそびを選んで自由に過ごします。興味のあることを好きなだけ遊んだりお友だちをみて新しいあそびをやってみたり。登園から降園まで年齢やクラス単位の活動がなく、1日「個」の選択で過ごします。
自由にあそぶことは決断の連続。自分で選ぶ考える経験が主体性を育みます。
また本人の「やりたい」がモチベーションなので、できる方法を探したり考えたり、使うものを探しに行ったり工夫したりと能動的な行動になります。
◆子どもたち一人ひとりをしっかり観察
普段の保育でも子どもたちの様子を観察している職員ですが、初めて会う子どもたちでさらに言葉でのコミュニケーションや事前情報がないことで、いつも以上に表情や動きなど他の情報に自然と注目します。どんなあそびに興味を持ち、どんな点を楽しいと感じているのか。何を伝えようとしてくれているのか、どんな風に興味が移り変わり、それによってどんなふうにあそびが展開していくのか。オーストラリアの職員たちは子どもたちの表情や様子、動きをどのように観察し、どんな声かけや環境づくりであそびやまなびを発展させているのかなど実体験をとおしてまなびました。
◆お互いの個性を尊重し受け入れ合う環境
園内は英語だけでなく、いろいろな言語が飛び交います。異文化を持つ人種が集まるオーストラリアでは言葉や文化が異なることは珍しいことではなくよくある日常。
国の特性や地域性によることが要因でもありますが、言葉や文化はもちろん、見た目や考え方、好きや嫌いなどお互いの違いは個性として自然に受け入れる環境が出来上がっています。
子どもたちは日本から来た職員にも積極的に関わろうとします。その姿から子どものうちからグローバルなコミュニケーション能力が備わっていることが感じられます。研修では、園での保育研修以外に、日本では体験できないアクティビティや滞在中の英語でのコミュニケーションなど、さまざまな体験を行いました。
実体験で得られる知識、考えや感覚は、理解を深め、まなびを広げていくことを身をもって体験できた研修。研修をとおして学んだことを日々の保育に活かし、より良い保育を目指してまいります。